【前編】不動産売買でよくあるトラブル
2023年01月07日
今回は不動産の売買でよくあるトラブルに関して、お伝えします。
それらをおさえておけば、適切な対処方法を知っておけば万が一の時に落ち着いた対応ができるのではないでしょうか。
不動産売買は、扱う金額も大きいため、ちょっとしたことが大きなトラブルになることもあり得ます。
不動産会社の力も借りながら、安全でスムーズな取引ができるように心がけましょう。
今回は不動産の売買でよくある不動産仲介会社との間でのトラブルに関しておおまかに9つ分類しました。
少し長くなるため、前編、後編として2つの記事に分けています。
不動産の知識をすでに勉強されている方も、ぜひ確認として読んでみてください。
||1.仲介手数料に関するトラブル||
不動産仲介会社とのトラブルで多いのは、仲介手数料に関するものです。
不動産仲介会社に不動産の売買を仲介してもらう時に仲介手数料が発生するのは通常です。
契約の際は、仲介手数料について不動産仲介会社からきちんと説明がされます。
「仲介手数料の金額は法律で決まっています」と言って、当然のように金額を決めるところもあります。
仲介手数料に関して法律で決まっているのは”仲介手数料の上限”なので、下記で確認してみてください。
●仲介手数料の上限額●
売買価格(消費税抜き) :仲介手数料
200万円以下 :売却価格 × 5% × 1.1(消費税)
200万円以上 ~ 400万円未満 :(売却価格 × 4% + 2万円)× 1.1(消費税)
400万円以上 :(売却価格 × 3% + 6万円)× 1.1(消費税)
仲介手数料に関する取り決めをはっきりさせておくことが大切です。
契約時に仲介手数料の計算方法や支払い時期なども確認していきましょう。
||2.土地の境界に関するトラブル||
次に、契約相手とのトラブルです。
土地の境界に関しては、土地や戸建の売買時がメインです。
マンションの場合は開発の時にデベロッパーが境界確定をしているので特に問題がないでしょう。
土地や戸建を売却する際、売却前に境界を確定することが必要なのですが、隣地の人が境界を承諾しないということがあり得ます。
その時の対処法は、売却時に売主、買主、隣地所有者、の3者で再度立ち合い、
売主と買主間で
・筆界(境界)確認書が取得できなかったこと
・3者立ち合いのもと境界確認を行ったことで筆界確認書の取得に代える旨
以上2点を記載した合意書を締結します。
境界が確定できない場合は、後からトラブルにならないよう、立ち合って確認したことの合意書を取得しておくようにしましょう。
||3.物理的瑕疵に関するトラブル||
物理的瑕疵とは、例えば雨漏り、白アリの発生、地中埋設物、土壌汚染、などがあります。
物理的瑕疵に関して、基本的には「告知書に包み隠さず記載すること」「売買契約書で、契約不適合責任の免責条項を設ける」という2点に注目して対処します。
不動産の売買契約では、瑕疵担保責任に関して、一部または全部を免責する条項を定めることが一般的です。
契約不適合責任期間を3ヶ月とすると、例えば買主が4ヶ月目に瑕疵を発見した場合、売主は契約不適合責任を負わなくても良いことになります。
さらに、物理的瑕疵のうち、建物の瑕疵に関しては、既存住宅売買瑕疵保険を付保する対処法もあります。
既存住宅売買瑕疵保険とは、買主が瑕疵を発見した場合、その修繕費用を最大1000万円まで保証金でカバーできるものです。
保証期間は1年、または5年です。
ちなみに、既存住宅売買瑕疵保険が付保されると、買主も安心ですし、築年数が古い木造住宅などは売却前に付保しておくと売却しやすいです。
||4.土地の地中埋設物に関するトラブル||
地中埋設物とは、建物を解体する際に、例えば井戸や地下階がそのまま残されて埋めてある場合があります。
ですが、地中埋設物が残っているかどうかは見た目では分からないことがほとんどです。
それを知っている可能性があるのは売主となります。
ですが、売主も知らない場合があります。
地中埋設物があるかどうか、売主が知っている場合は告知が必要です。
3の物理的瑕疵に関するトラブルでも記載しましたが、契約不適合責任期間を3ヶ月とすると、例えば買主が4ヶ月目に瑕疵を発見した場合、売主は契約不適合責任を負わなくても良いことになります。
ですが、ここでポイントがあり、契約不適合責任について売買契約書の中で免責をしても、「売主が瑕疵の存在を知っていながら告知しなかった場合は、当該瑕疵について契約不適合責任を免れないこと」になっています。
もしも地中埋設物の存在を知っていたにも関わらず、黙って売却した場合は、決められた期間を過ぎても契約不適合責任を免れることはできません。
地中埋設物があるケースの対処法は
・告知書に包み隠さす記載すること
・売買契約書で契約不適合責任の免責条項を設けること
以上の2点です。
今回は不動産の売買でよくある不動産仲介会社との間でのトラブルに関しての前編を書いてきました。
次の記事では5つ目からを掲載する予定です。