相続税がかかるかどうかの5つのこと
2022年10月15日
相続税がかかるかどうかの5つのこと
相続財産には不動産(土地・建物)だけでなく、現預金や株式などの有価証券、ゴルフ会員権、貴金属なども含まれます。
これは全て計算しなければなりません。
相続税がかかるかどうかを計算するために、5つのことがあります。
<不動産の相続税がかかるかどうかの5つのこと>
①相続人の確定
②相続財産の確定
③相続税額の計算
④相続税の納税
⑤相続登記
それぞれを解説していきます。
=①相続人の確定=
相続人が誰かを確認することです。
法定相続人について
法定相続人とは、民法によって規定された一定の順序に従って相続人となる人のことで、配偶者と一定の血族からなります。
まず、配偶者は必ず相続人となります。
また、配偶者だけ相続するわけではなく、必ず配偶者と血族相続人が共同して相続します。
第1〜3順位の異なる血族相続人同士が共同して相続することはなく、あくまでも第1順位がいなければ第2順位といったように、次の順位で相続人となります。
つまり、故人の子と故人の親や、故人の親と故人の兄弟姉妹が一緒に相続人になることはありません。
基礎控除額を計算するときの「法定相続人の数」は、実際の法定相続人の数とは異なるケースがあります。
たとえ「法定相続人の数」は相続を放棄した人がいても、その放棄がなかったものとした場合の相続人の数をいいます。また、養子がいる場合、「法定相続人の数」に含めることができる養子の数は、実子がいる場合には1人、実子がいない場合には2人までに制限されています。
ただ、これは基礎控除額による節税を防ぐための規定です。
計算するときの「法定相続人の数」に入らなくても、相続を受けることができる法定相続人となります。
法定相続人を調べるには、被相続人(死亡した人)の出生から死亡まで、すべての戸籍謄本をとる必要があります。本籍地を生前変えたことがあれば、さかのぼって各地の市町村に照会します。
※遺言の有無について
遺言があるかどうかは必ず確認しなければなりません。
遺言は、法定相続分より優先されます。
=②相続財産の確定=
何が相続財産に該当するかを確認しましょう。
・相続財産、債務のリストアップをする
・遺言がない場合、遺産分割協議書の作成をする
相続財産は相続税の課税対象となります。
例:
相続などにより取得した財産。
土地、建物、現預金、有価証券
被相続人の死亡に金して得られる財産。死亡生命保険金、死亡退職金など。
=③相続税額の計算=
基礎控除額は「3000万円+600万円×法定相続人の数」です。
遺産額が基礎控除額を超えた分については、相続税を納めなければなりません。
相続税は、金銭での一括納付が原則ですが、期限までに困難な際は一定の要件の元で分割払いの延納が認められています。
=④相続税の申告と納税=
相続税は、
・被相続人(死亡した人)が死亡したことを知った日の翌日から10ヶ月以内
・被相続人の住所地の所轄税務署に相続人が連名で申告
・納税
これが必要です。
=⑤相続登記=
まずは相続登記を行わない限り、相続財産を得ることはできません。相続財産が、自分のものであることを証明できる名義変更をするために相続登記が必要です。
相続登記に必要な書類を挙げてみました。
・被相続人(死亡した人)の戸籍謄本(出生から死亡まで全て)
・被相続人の住民票の除票
・相続人(相続を受ける人)全員の印鑑証明書
・相続人全員の住民票
・不動産の固定資産評価証明書
・不動産の全部事項証明書
・遺産分割協議書
相続登記は個人ですることもできますが、司法書士に依頼するのが一般的ですが、相続登記は登録免許税がかかります。
これら5つのことに注目していけば、相続税に関することも大まかに理解が深められるでしょう。