老後は賃貸と持ち家のどちらが良いか?
2023年08月19日
老後の住まいに関して、選択肢としては持ち家を売却して賃貸住宅に住むか、持ち家に住み続けるかと考える方も多いと思います。
賃貸物件を選ぶメリットとしては、支出が安定しているので老後の資金計画を立てやすいなどがあります。
一方で、家賃の支払いが負担になるなどデメリットもあるため、慎重に検討することが重要です。
今回の記事では、老後の賃貸のメリット・デメリットから賃貸で後悔しないポイントなどを分かりやすくご説明します。
あわせて、後半では、賃貸をしながら持ち家に住み続けられるリースバックについてもご紹介します。
老後の住まいの参考にぜひしていただければと思います。
||老後に賃貸物件に住むデメリット5点||
老後の住まいの選択肢として、賃貸物件を選ぶ方もいるでしょう。
しかし、老後の賃貸暮らしはやめた方が良いという意見も聞かれたこともあるのではないでしょうか。
具体的にはどのようなことが言われているのか、賃貸物件に住むデメリットを解説していきます。
1.毎月家賃を払う必要がある
2.物件によっては契約を断られることもある
3.リフォームをすることができない
4.賃貸物件は資産にならない
5.住環境になじめないこともある
1.毎月家賃を払う必要がある
まず賃貸のデメリットとして一番に挙げられるのは「家賃を支払い続ける」必要がある点です。持ち家の場合は、ローンの支払いが終われば(維持費などはかかりますが)月々の出費がなくなるため、それ以降の居住費を大きく削減できます。
賃貸の場合は、住み続ける限りは毎月家賃を、賃貸更新時には更新料を支払わねばなりません。
老後の収入が減少した生活の中での家賃の支払いは、経済的にも精神的にも大きな負担になる方もいます。長期に渡る老後生活で、家賃が支払えなくならないよう、早い段階で老後資金の計画を立てておくことが重要です。
2.物件によっては契約を断られることもある
老後になると新規で賃貸契約しようとする場合、物件によっては契約を断られてしまうこともあります。支払い能力の不安や孤独死のリスクなどが原因で、オーナーに断られるケースが多いのです。
近年は高齢者向けの賃貸物件も増えてきましたが、物件数は少なく、また高齢者向けの賃貸物件は家賃が高い傾向があります。
3.リフォームをすることができない
日本の賃貸物件は、自由にリフォームができません。年齢を重ねるにつれて、身体機能が低下し、バリアフリーが必要になったりするケースがあります。
持ち家の場合は自由にバリアフリーのリフォーム工事が可能ですが、賃貸物件では基本的にはできません。将来もお家で快適に過ごせるよう、バリアフリーかしている賃貸物件も検討しましょう。
4.賃貸物件は資産にならない
持ち家は、住宅ローンを完済すると自身の資産になります。
自分の死後に、持ち家を資産として子供や孫に相続してもらうことはできますが、賃貸はいくら家賃を支払っても、物件が自分にものになることはなく、相続させることもできません。
5.住環境になじめないこともある
もしも老後生活のために賃貸物件に引っ越した場合、慣れ親しんだ土地から新しい土地に移ると、近隣の方々との関係も作り直す必要があります。住み替えすることで大きな変化に慣れるのは時間と労力がかかり、精神的にも負担になる可能性があります。
||老後に賃貸物件に住むメリット5点||
賃貸物件に住むことにはメリットも多いです。前述したデメリットと比較し、どのような点を押さえておくと良いのか、ぜひ検討してみてください。
老後に賃貸物件に住むメリットは以下の5点です。
1.老後の資金計画を立てやすい
2.状況に合わせて住む場所を変えられる
3.税金がかからない
4.毎月の支出が安定する
5.災害時の負担が少ない
それぞれを詳しく見ていきましょう。
1.老後の資金計画を立てやすい
持ち家の場合は、住宅ローンの支払いを終える頃には住宅の経年劣化により、大きなリフォームや老後のためのバリアフリー化に費用がかかる可能性があります。
また、定年退職時にローンの残高がある場合、退職金でローンの繰上げ返済を検討している方も多いのです。
繰上げ返済をすると、それ異国のローンの支払いは必要ないですが、一括で大きな支出になるため、老後資金に影響が出る可能性があります。
賃貸の場合は、家賃の支払いや更新料は発生しますが、高額な支出が必要な場合はほとんどなく、老後資金を計画的に進めやすくなります。
2.状況に合わせて住む場所を変えられる
賃貸の大きなメリットには引越しをしやすい点があります。賃貸ですと「病院や駅の近くがいい」「もっと静かな場所で暮らしたい」「近隣トラブルに巻き込まれた」などの理由でも新しい場所に身軽に引越しが可能です。
一方、持ち家の場合は、一度購入してしまうと気軽に引っ越すことは難しいですよね。
3.税金がかからない
持ち家の場合は、固定資産税や都市計画税を毎年払わなければなりません。
賃貸の場合は、これらの税金は必要がないため、毎年支払うべき費用の削減ができるでしょう。
4.毎月の支出が安定する
賃貸では家賃や共益費などの支出がありますが、支払う金額は基本的には毎月定額で、大きく変動することはありません。
持ち家の場合のローンの支払いは一定ですが、修繕などの維持にかかるコストが突然必要になることもあります。老朽化に伴う修繕やバリアフリーリフォーム、外壁や屋根の塗り替えなど、突然の支払いが負担になることもあります。
賃貸暮らしでは突発的な支出の心配がないため、老後の資金計画が立てやすいと言えます。
5.災害時の負担が少ない
もしも火災や地震、水害などの災害で家に被害が出た場合は、修繕費が高額になる可能性があります。加入している火災保険で、ある程度のカバーはできますが、大きな損壊の場合は住宅に住み続けることも難しいでしょう。
賃貸物件の場合は、災害時の修繕費は大家が負担をします。住めないほどの損壊になった場合でも、新しい住まいに引越しをすれば良く、家の資産がなくなるという心配がありません。
||老後の賃貸生活で後悔しないために確認すること3点||
老後の暮らしのための物件選びに万が一失敗をすると、住み替える際には資金だけでなく気力、体力も必要となり、大きな負担になりますよね。
賃貸物件を選んだ後に後悔しないためには、事前に次のような3点を確認しておきましょう。
1.無理なく払える家賃か
2.老後の生活資金は十分にあるか
3.段差があるなど暮らしにくい設計ではないか
1.無理なく払える家賃か
老後資金の中から家賃を支払続けられるかは、事前にしっかりと計算しておくことが大切です。
今は良くても、将来に収入が減少し、貯蓄も少なくなった場合でも大丈夫か、長期的な計画を立てて検討しましょう。
2.老後の生活資金は十分にあるか
老後2000万円問題、という言葉を聞いたことがある方も多いでしょう。老後の資金への不安を抱く方は多いでしょう。老後に必要なお金は、もちろん居住費のみではありません。
総務省の家計調査によれば、世帯あたりの消費支出額は月額23.5万円だそうです。世帯人数やライフプランによっても消費額は異なりますが、自身の世帯では将来いくら生活費が必要かを計算しておくことが重要です。
老後に必要な資金額が分かれば、住まいにどのくらいの金額をかけられるかの検討がつきやすくなります。老後生活を圧迫しないような賃料の物件かどうか、しっかり検討しましょう。
3.段差があるなど暮らしにくい設計ではないか
老後は足腰が弱り階段だけでなく少しの段差でも大きな負担になることもあります。玄関から居室までの経路などを不自由なく過ごせるかを確認することもポイントです。
||リースバックなら賃貸契約で自宅に住み続けられる||
老後の資金に不安がある場合、リースバックという手段がある事はご存じでしょうか。
リースバックなら、まとまった資金を得られ、持ち家にもそのまま住み続けることができます。
リースバックの仕組み
リースバックとは「家の売却プラス賃貸契約」という仕組みです。不動産会社に持ち家を買い取ってもらい、売却した物件を新らたに賃貸契約を結ぶことで、家賃を払いながらそのまま持ち家に住み続けることができます。
メリット
リースバックのメリットは下記の4点です。
・まとまった資金を得られる
・家にそのまま住み続けられる
・税金などの所有コストが掛からない
・買い戻しも可能
リースバックで得た資金は、使用用途の制限がありません。ですので老後資金に活用できるだけでなく、ローンの返済や事業用という活用方法もあります。
リースバックを利用し、ローンを完済すれば、老後のローンの負担も軽くなります。
さらに持ち家にそのまま住める点はリースバックの大きな魅力です。
先述した通り、新しい住居に住み替える場合、住み慣れた持ち家を手放すことや新しい環境に慣れるのが精神的に負担になる方もいらっしゃるでしょう。
「住み慣れた土地や家にそのまま住みたくても、老後資金も必要」という方に効果的な方法です。
さらに、持ち家を所有していると固定資産税がかかりますが、リースバックの場合は、住んでいても所有権がないため、固定資産税を支払う必要がありません。
契約によっては、将来的には持ち家を買い戻すということもできるため、資金に余裕が出たら買い戻しを行い、持ち家を子どもに相続させる、ということもできます。
注意点
リースバックの注意点もあります。
・家賃の支払いが発生すること
・買い戻しをする場合は、売却額よりも高くなる可能性があること
リースバックをするには、新たに賃貸契約を結び家に住み続けるための家賃支払いが必要です。
一般的にリースバックの家賃は、相場よりも高くなりやすいです。家賃が払えない場合は退去が必要です。まとまった資金を得られても、その資金で家賃を払い続けられるのかどうかの見極めが重要です。
また買い戻しの際は、買い戻し額が売却額よりも高くなるケースもあります。不動産会社が物件を買い取った額に経費や利益を上乗せして再度売却をします。
そのため、一般的に買い戻し設定額は売却額よりも高めに設定される点は覚えておきましょう。
リースバックの利用がおすすめな場合
リースバックは下記に当てはまる方は前向きに検討してみてはいかがでしょうか。
・住宅ローンを完済したい
・老後の資金を確保したい
・住み慣れた家で暮らしたい
・相続のための資産整理をしたい
まとまった資金を得ながら自宅に住み続けたいという方におすすめです。
相続対策としてリースバックを利用する方法もあります。持ち家があると、相続時に相続の対象となります。
以上、老後の賃貸のメリット・デメリットから賃貸で後悔しないポイントやリースバックなどをご説明しました。
今すぐでなくても、ゆくゆくは将来の住まいに関して考える機会が必ず訪れます。
ぜひご参考にしていただけると幸いです。